Digimon.
□世界がひび割れたとき
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好きな人には彼女がいる。
その彼女は、私の友達でもあって…
だから、私はこの恋をあきらめなきゃいけない。
今、太一の家に来ている。
太一と空とヒカリちゃんと私の4人でトランプ中。
「ぅわっ!!」
「…絵里、またババ引いたの??」
「ひっ引いてないよ!!」
「バレバレだぞ…」
「あははっ」
4人で笑い合っていると、太一のお母さんの声がした。
「太一〜??光子郎君とミミちゃんが来たわよー」
ズキッと心が痛んだのがわかった。
「んー、こっち来させてー」
太一そう言った後、2人は仲良く入っていった。
「おじゃましま〜す」
『みなさん、来ていたんですね』
光子郎君とミミちゃん。
最近付き合い始めた2人は、とってもラブラブ。
『ミミさん…、そろそろ手を離してください//』
「えーっイヤだよ!!」
「人の家でラブラブすんなー」
嫌だ、嫌だ、嫌だ!!
こんな二人、見たくない!!
「わっ…私、もう帰る、ね…」
「え??…おぅ、気をつけて」
私の気持ちを知ってる太一たちは何も言わず言葉で見送ってくれた。
空とヒカリちゃんも眉を下げつつバイバイと言った。
『えっ、絵里さん…もう帰るんですか??』
「うん、じゃあね…!!」
『えっ!!待ってください!!』
玄関まで小走りで行くと、光子郎君が私の腕を掴む。
『絵里さん…最近、僕のこと避けてませんか??』
うん、避けてるよ。
だって…あなたと話すとどんどん好きになっちゃうから。
「そんな、こと…ないけど…」
握られた所が熱い。
顔まで赤くなるのがわかる…
手なんか簡単にふりほどけるのに、私を止めてくれたのが嬉しい。
矛盾してる、本当に。
避けてるって言ったのに…
『僕、何かしましたか??』
「……」
何も言えない。
なによりも、胸が痛くて。
「したよっ!!バカ!!」
そう言って飛び出していく。