Digimon.

期待してもいいですか??
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「八神君…もうそろそろ、かな…」



心臓が今まで以上にドキドキしてて、頭に響く。





『あ〜マジ疲れた!!』




廊下から声が聞こえ、びくっと肩が上がった。


八神君……じゃなくて、サッカー部の人だ。




部活が終わったんだ…


じゃあ、八神君がもう来る。






『そういえば太一、ずいぶんとあの席喜んでんな』


『そりゃそーだろ、あいつずっと片想いしてたし』



『あいつモテるくせに一途だもんな〜』




八神君…


ドキドキと鼓動が速くなっていく。




『で、誰だっけ??その好きな人って』





『卒業したマネージャーの笹木先輩!!


去年、あの席に座ってたんだってさっ』





一瞬、聞こえてきた意味がわからなかった。



そら耳…??


…そう、思いたかった。





「っ…うっ……」



気づいたら涙が溢れ出てきて、すごく、苦しい…



期待した自分がバカみたい。


八神君は、最初から私のことなんて見てなかった…。







『高橋さん…??』


「…っ八神君…!!」


『どうしたんだよ??なんで、泣いてんの…??』




なんでこんな時に限って来ちゃうの…


でも、ここで告白しなかったらまた…前みたいに戻るの??



見てるだけの恋に戻るの??





そんなのイヤだ!!





「私、八神君が…好き…」



『……えっ』



「八神君に好きな人がいても、好きなのっ…!!」




言い終わると、唇に柔らかい感触。

八神君が、私にキスをした。




「なっ……」



『ごめん…



好きだ』



「う…そ、だって笹木先輩は…??」


『なんで高橋さんがその話知ってんの!?//』





頭がまだ混乱してる。
状況がよくわからなくて…




『本当は先輩の席になれてすっげー嬉しかった…

でも、気づいたら高橋さんの隣になれて嬉しいと思ってきて…』



「うそ…だ…」



『嘘じゃないよ、高橋さんが俺の気持ちを変えてくれた』






『好きだよ、絵里』






期待してもいいですか??




(私もっ……好き!!//)
(もう泣くなよーっ)

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