Digimon.
□期待してもいいですか??
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高3になったって、"席替え"という行事はワクワクする。
好きな人と隣になれるかなって期待したり…
だから驚いたの。
『高橋さん、よろしく!!』
ずっと片思いしてた八神君の隣になれたことが!!
どうしよ…心臓バクバク言ってる…
全然話したことないから、すごく緊張してる。
「よっよろしく//」
喉の奥がつまって上手く言葉が出なかったけど、返事はできた。
『高橋さんとこうやって話すの、初めてだよな??』
「そうだね…!!」
『これから隣だしさ、仲良くしてこうな』
「うっ…うん!!」
嬉しい、嬉しい、嬉しい!!
嬉しすぎて心が悲鳴あげてるよ。
放課後。
「絵里っ帰ろー」
「うん…あっ!!ちょっと待って!!教室に忘れ物しちゃった」
「じゃ、ここで待ってるから取りに行って来な!!」
「うんっ」
友達を後にして私は教室にダッシュ。
…あれ??教室からボソボソと声が聞こえる。
私は気づかれないようにそっと廊下の陰に隠れた。
「太一、あの席になれてよかったな!!」
『え??…まぁな//』
えっ!!八神くん!?
同じサッカー部の人と話してる…
あの席って…
「だってお前、ずっと好きだったもんなー」
『あぁ、だから席替えしてマジよかった!!すっげー嬉しいっ』
席…??
す…好き…??
"ガタンっ"
あっやばい!!
衝撃のあまり壁を蹴ってしまった。
『誰かいんの??』
そう聞こえたけど、私はすぐに走り逃げた。
「ハァっ…ハァっ…」
「絵里…どーしたの??そんなに走って」
「なっ…なんでもない…」
心臓がドキドキいってる。
これは、走ったから??
それだけじゃない…
八神くんが…私を、好き??
だって…全然話したことないんだよ??
こんなにも自惚れていいのかな……。
――――――――――…‥
「おっおはよう!!」
朝、
私は思いきって、席へ着く前に八神君に挨拶した。
『おはよ…!!』
八神君、びっくりしてる
そりゃそうだ…
だって、今まで私から話したことなんてないもんね。
ちょっと勇気出したけど、心痛いよ…
『高橋さんから話しかけてくれるの初めてだなっサンキュー!!』
「えっ…そんな…」
話しかけたって挨拶程度だよ??
それに、お礼される程でもないし…。
でも、なんだか嬉しい。
『そういえば、高橋さんって家庭科部だっけ??』
「そうだよ」
『じゃあ料理とかうまいの??』
「全然だよ…まだ、見習い中だよ」
『またまた、そんなこと言っちゃって〜
前にもお菓子作って来てなかった??』
「えっうん…友達の誕プレで…」
『やっぱすげぇー
俺さ、それ見て女の子らしいなって思った!!』
「えっ…//」
私のこと、見ててくれたの??
前よりもっと、もっと、自惚れちゃうよ…
「あっ…ありがとう//
私っすごく嬉し…//」
嬉しすぎて
顔真っ赤になってるのわかるし、言葉も震えちゃってる。
ホント恥ずかしい//
『高橋さん、マジかわいすぎ//』
ポンっと私の頭を撫でて言う八神君にさらにドキドキした。
私、八神君に告白したい!!
今なら頑張れる気がする
「八神君っ!!
あの…放課後ここで話したいことあるから、いいかな??」
『ん??いいよっ』
いける、かも…なんて
余裕ぶっちゃうけど…。
正直、自分がここまで積極的にいけるのに驚いてる。