夜に綴る物語

□思い出と過去は基本的に無力
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『名前、泣くな。泣いたら負けだぞ』



『お前ェは無駄な力が入りすぎてんだよ。もっと力抜け』



『やっぱ名前が作る料理が一番うめぇな』



『名前……好きだ……』



『流石は俺の惚れた女だな』



『周りを見ろ名前。しっかり刀握ってろよ』



『絶対に俺から離れるな。後ろはお前に任す』



『必ず……迎えに行く……』







懐かしい夢をみた。
はっきりとは覚えてないけど、懐かしいという漠然とした気持ちだけは残っている。
時計を見ると、既に10時過ぎだった。
今日は屯所に行こう。
着物に着替えて髪を結い、戸締まりを確認。
外に出ると、綺麗な青空が広がっていた。
神威の瞳みたいだ、と我ながら乙女チックなことを思いながら屯所に向かった。
いや、私は乙女とはかけ離れているけどね?
刀振り回してる乙女はいないけどさ、これでもお年頃なんだよ。

まあ、気にしない気にしない。

あ、そうだ。
神威風に出勤してみよう。屋根をピョンピョンと。

強めに地面を蹴って、善良な住民が住んでいるであろう民家の屋根に跳び乗る。
瓦が足元で変な音をたてた気がしたが、スルーして次の家へと跳躍した。
私達は街の安全をまもってるんだ。これくらい見逃してくれたまえ。

雨漏りが酷いときは、ぜひ万事屋銀ちゃんへ。

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