青春ドロップ

□委員会とか正直どうでもいい
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「最近の学生は実にだらしない!」

バンッ!と机を叩いてそう叫んだのは、我らが風紀委員会の長である近藤だ。
ダラーンとした空気の中、一人燃えている。
暑苦しい上にウザくてしょうがない。
こんな話聞いてるの、真面目な土方君ぐらいなのに。
いや、ザキもか。
私はと言えば、総悟と絶賛ゲーム中である。
ぶっちゃけ委員会とかどうでもいいし、というのが私の本音である。

「ちょっと総悟踏まないでよ!あー!私のスターがーッ!」

そうこうしていると、総悟のキャラクターが私のキャラクターを踏んでいった。

「くやしかったら俺のことも踏んでみなせェ」

「ダッシュしながら言うなよ!無理に決まってんじゃん!・・・・・・あ、ビッグ出た」

「マジですかィ・・・・・・」

「よっしゃ!あはははザマーみろ!ここからは私のターンだ!」

「うわ、ルイー次に何しやがる!」

「我がマリ男に勝てると思うなよ!」

「糞っ!って、言ったそばからもう元に戻ってやすぜ?」

「あ・・・・・・」

「へへっ、確かこの箱でしたねィ?」

「だー!取るな!私のビッグがー!?」

「残念でしたねィ。所詮マリ男はその程度の男かィ」

「ま、負けた・・・・・・」

「どうしやす?もう1ラウンドいきやすかィ?」

「勿論!」

「テメェら話聞けよォォォォォオ!!」

私と総悟の間を、竹刀が通り抜けていった。
前を見ると、教卓の横に立っている土方君が鬼のような形相でこっちを睨んでいた。

「委員会中になにゲームしてんだテメェらは!聞けよ!人の話は聞けよ!」

「「えー」」

同じことを二回言った土方君に、総悟と不満を漏らす。

「えー、じゃねえ!」

「「土方死ねー」」

「うるせぇよ!なんでそういう時だけ息ぴったりなんだよ!」

「「チッ」」

「舌打ちすんじゃねえ!」

息を切らす土方君。
流石にかわいそうになってきたので、ゲームの電源を切った。

「で、今回の議題は何なんですか?」

話を進ませようと、私から話題を振る。
うむ、と近藤君がいつになく真剣な表情をした。

「我が校は、最近たるんでいる!遅刻やサボりをする生徒が非常に多い!」

土方君が後を引き継ぐ。

「つーことで、明日から毎朝風紀委員が校門に立つことになった。当番制だからなー」

えー、とあちこちで不平不満の声があがる。
土方君は視線でみんなを黙らせ、私の方を指さした。

「明日は総悟と名字だ」

面倒臭い上に、私の貴重な睡眠時間が削られてしまう。
しかし、総悟は意外にあっさりと引き受けた。

「んじゃ、モーニングコール頼みまさァ名前」

と思っていたら、私に新たな仕事を押し付けようとしてきた。

「しないからね?私がしてほしいくらいだよ」

「じゃあ・・・・・・」

こんなことを頼めるのは、一人しかいない。
二人でその人物の方に顔を向けた。

「「ザキ、頼んだ」」

「えッ!?」

おどおどと焦るザキは、総悟が睨むと大人しく引き受けてくれた。

てなわけで、銀魂高校挨拶運動が始まったのであった。

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