青春ドロップ

□先生の方が大変なんだぞコノヤロー!
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学校行くのがこんなに憂鬱なのは初めてだ。
帰りたい。
だが、サボる勇気なんぞ私には無い。三年生になったこともあり、授業に出ないと遅れをとってしまう。

――ていうか、3Zでまともな勉強ってできるのか?

そう思ってしまうと、更に気が重くなる。
今まで楽しかったなあ・・・・・・。
もう私の青春は終わりか・・・・・・。

「朝っぱらからシケた面してんじゃねえよ」

階段を登っていると、背中にバシッと衝撃が走る。

「いたッ!」

「どうだ?目ェ覚めたか?」

「晋助!貴様か!」

銀魂高校No.1の問題児、高杉晋助だった。彼とは中学のときからの喧嘩仲間である。
晋助が隣に来ただけで、他の生徒が私達を避け始めた。毎度のことなので、気にしない気にしない。

「お前3Zになったんだってな」

晋助がからかうように言う。
他人から言われると、余計にグサリときた。

「そうですよー」

「本性出しちまったもんなあ」

「しょうがないじゃん。てか、晋助昨日いなかったよね?」

「ああ。始業式のこと忘れてた」

ここまではっきりしていると、かえって清々しい。

「成程。あー、私もサボりたい」

「一緒にサボるか?」

「あなたは本当に学生ですか?」

「取り敢えずはな」

取り敢えずってどういうことだよ、と心の中でツッコみ、私はいいやと答えた。

「ちゃんと授業に出るよ」

「そうか。じゃあな」

あっさりと了承し、晋助は手を振りながら屋上へと続く階段を更に登っていった。

「あ、そうだ」

階段を数段登ったところで、晋助が振り向いた。

「この前の喧嘩でお前の居場所はバレた。また中学ン時みたいに喧嘩をふっかけられるかもしれねェ。気ィつけとけよ」

「マジすか・・・・・・」

確かにそうだ。

「ありがと、晋助」

「おお」

なんだかんだ言って晋助はいい奴だ。
いい友達を持ったなあ、と改めて実感しながら教室に向かった。

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