黒き影とともに
□→変化→
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「はい、もしもし」
『やあ名前』
「珍しいね、叔父さんから電話をかけてくるなんて」
『ああ。少し、話したいことがあってね』
「話したいこと?」
『……澱切陣内、と言えば解るんじゃないのかね?』
「……そのことか」
『うむ……』
「私も個人的に調べてるの。ただ、なかなか尻尾は掴めないんだけどね」
『やはり、一筋縄ではいかんか……』
「うん」
『……くれぐれも“首”に注意してくれ。あいつにだけは渡さんようにな』
「解ってるよ。それに、聖部ルリのこともあるし」
『そうだな。……名前……』
「ん?」
『……お前も、気を付けなさい』
「え……私?」
『あの男はお前のことを知っているようだ。いつ狙われるか解らんからな。目的の為ならどんなことでもしよるぞ』
「それ、叔父さんも他人のこと言えないよね」
『ははははは、まあそうだが。とにかく、あまり目立つことはするな。お前もあの男にとっては、“商品”になる可能性が充分にある』
「わかった。気を付ける」
『よろしい』
「また何か解ったら連絡するね」
『ああ。では、またな』
「うん」
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