歪んだ愛に溺れて

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「進路……ね……」

進路の調査書を持ち上げ、ベッドに凭れかかる。

「酷いよね。こんな紙切れ一枚で将来を決めちゃうなんてさ」

ベッドに寝そべっていた臨也の腕が首に巻き付く。顔を横に向けると、目元からリップ音が響いた。

「そんなの置いといて、俺とイイコトしようよ」

「はいはい、また今度ね」

甘えてくる臨也をスルーすると、気を引こうと髪を弄り始めた。そんな可愛らしい行動をとる臨也に悪戯心が擽られて、暫く悩んでいるフリをして無視し続けた。

「ねえ名前」

「…………」

「名前、キスして」

「…………」

「酷いなあ。お兄ちゃん泣いちゃいそう」

「…………」

「……名前……」

いつもより低い色気のある声がしたかと思えば、髪をかき分けられて首筋に柔らかい感触が当たった。スルリと服がずらされて、左肩がさらけだされる。
続いて服の中に手が入ってきた。

「あれ、名前また胸大きくなった?」

「んー、ちょっとだけ」

「やっぱり?あー、柔らかい……」

「あっ、ちょ、いざや……」

くすぐったいような感覚が上がってくる。
どうやら逆襲が始まったようだ。

――提出明後日なのに……。

妙に冷静な頭の片隅で、そんなことを考える。

「臨也、ほんとに駄目だって……ッ!」

「進路のことなんてすぐに忘れさせてあげるから」

「だからそういうことじゃ――」

ない、と言いかけたとき、いきなり体が抱え上げられた。視界いっぱいに、妖しい笑みを浮かべる臨也の顔が映る。

「大丈夫。九瑠璃と舞流はまだ帰ってこないよ」

「……もう」

最後は結局こうやって臨也に流されてしまう。
溜息を吐いて、半ば諦め調査書をベッドの下に落とした。


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