歪んだ愛に溺れて
□first contact
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保健室のドアを開けると、案の定そこには金髪の男の子がいた。
顔を上げた彼は、私を見て目を見開く。
「お前……」
「初めまして、平和島君」
後ろ手でドアを閉め、平和島君に近付く。カッターシャツは所々破れていて、擦り傷がたくさん出来ていた。
「……お前、臨也の……」
「そ、双子の妹。ごめんね、いつも迷惑かけちゃって」
平和島君の隣に座り、机に置かれていた救急箱を取った。
「お詫びって言うのも変だけど、私がやってあげる」
「あ、いや……」
「いいからいいから」
消毒液をコットンに染み込ませて、戸惑っている平和島君の腕に触れた。
みるみるうちに平和島君の頬が赤くなっていく。
「痛いかもしれないけど、我慢してね」
「ッ……!」
微笑みかけると、平和島君は顔を真っ赤にして目を泳がせた。
「わ、悪ィ……」
「いいって。あ、私名前っていうの。よろしくね」
「ああ」
これで第一印象はばっちりかな。
新羅の時よりも楽しめそうだ。
窓の外でかすかに揺れた黒を横目で見ながら、平和島君の柔らかい金髪を撫でた。
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