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□DAM BOLAS
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_________あの惨劇は、七年も前の事…
まだこの国が、ランドオブフリーダムという名前になる前の…____
それは突然起こった国盗りだった。
犠牲は勿論、国自体への損害が重く、国盗りに抗うのさえ困難なまでに軍国であるサダルト国は追い詰められていた。
それでも王は国民からの搾取を止めることなどしなかった。
それが私利私欲の為なのか、あくまで国を守ろうとしていたのかは分からない。
次第に国民からとれるものがないと知ると、その者は反逆罪で殺された。
「国を守るため」
そう言われて犠牲になった者は数知れない。
_______結局、多くの犠牲を出した激しい戦争は国盗りが女王の首を取ることで終わりを告げた。
「見よ!!これが今まで王の座に縋っていた者の首だ!
もうサダルト国は滅んだ!
さぁ、自由に生きるがいい!」
白髪を赤に染めた髪の長い女のその手には首から下がない女王。
かつての美しさもなく、女王ご自慢の綺麗だった長髪を持たれ、醜く息絶えていた。
「それがお前達の…国盗りのやることか…!
潰したら…それで終わりなのか!!」
ある者は叫ぶ。
悲しみと恨みを込めて。
「ああ、やっと終わったんだね、兄ちゃん」
「これからこの国は荒れるな…」
ある者は淡々とその終わりを見る。
どうでもいいと言わんばかりに。
「参加しなくて正解だったな。」
「そうだな…これからは気のむくままに生きようか…」
またある者は悲しげに国を見る。
まるで全て知っているかのように。
「お父さん…私がいけなかったのかな…」
少女のまわりには誰もいない。
何かを思い詰めた顔で、町から離れていった。
後に、この国盗りは旧サダルト国の歴史に名を刻む。
第一次大戦、と……
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