-Crow-

□色のない過去
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私はずっと一人で戦ってきた。


両親は流行り病で7歳の時に死に、育て親には虐待を受け、部屋から出させてもらえなかった。


私の存在理由は二人のストレス発散用の道具でしかなく、殴られ蹴られの毎日を送っていた。





『つまらない』





なんてつまらないんだ。
人生と言うのは…






人間なんか嫌いだ






私の悲鳴も泣き声も聞こえてるはずなのに見て見ぬフリ。




いつか誰かが言うだろう



そのうち警察が来るだろう





他人任せの人間達。





たまに自分は薄情な人間とは別な生き物だと思うときがある。



そんな生活を送っていたある日の事、シラサギは一日1時間だけ許された家内散歩の時間をビクビクしながら歩いていると、リビングから皿の割れる音がした。





またか…




どうせいつものヒステリックな父方が暴れてるんだろうと思い、当たられる前に部屋に帰ろうとした。


…しかし何かがいつもと違う。




いつもは私の悲鳴と泣き声がこだまするその部屋からは
母方のヒステリックな悲鳴と徐々に荒がっていく父方の声だった。




「馬鹿じゃないの!?そんなのバレるに決まってるじゃない!!!」



「だから…しょうがなかったって言ってんだろ!?」


「借金なんて作らせて…バレたら私達が訴えられるのよ!!?」


「その前に逃げたらいいだろ」


「無理よ!すぐ捕まるわ!!最近政府は犯罪者の取締を強化してるのよ…!?」





知ってるでしょ…?





クロウの事………!






母方はひっそりとした声に、しかし怒気を込めて言った。




…クロウ?






「最近…政府はクロウをあてにしてるって言われてるのよ…!?」


奴は人間じゃない…
人間のなりをした化け物よ!!





その一言にシラサギの心臓が跳ねた。




人間の姿をした…化け物…?




まるで私の様だ…


誰にも相手にされず、厄介目で見られる。

私もまるで化け物と同じ扱いだ…




同じ化け物なら…




私を連れていってくれないだろうか…


本能のまま生きれるところに…





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