short novel

□刺の頑張り
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「……やる!!!!」
そう言って、投げつけるもとい、叩きつける形であいつにマヨネーズを渡した。
本当は、普通に渡したかったが、私のひねくれた性格がそうさせてくれない。

「……おい、これ何だ?」
「マヨネーズ。見て分かんないわけ?「
………こんなこと、言うつもりは無いのに……。
なんで、ひねくれたことしか言えないわけ……。

「いや、それは分かってる。俺が聞いてんのは、なんでいきなりマヨネーズをくれるのかってことだよ」
まあ、そりゃそうだよな。

「ただ手元にマヨネーズがあったから。それだけで、誕生日とか深い意味はないから、勘違いすんな」
やってしまった。
これじゃ、誕生日プレゼントですって言ってるじゃん。
いや、誕生日プレゼントですって言うつもりだったけど。
………こんな形で言うつもりじゃなかったのに。

「なんで、誕生日知ってんだ?」
「近藤さんに聞いたけど何か悪い?」
「いや、悪かねえけど」
「だったら黙って受けとれ。マヨラーが!」
こんなこと、本当に言うつもりじゃないのに……。
自分の性格をとことん恨む。


「ありがとな」
そう言って、立ち去ろうとするアイツ。
とっさに
「待って!」
声が出てた。

そしてアイツは、意外と言った様な顔で振り向いた。
「どうした?」
「えっ…えっと……あ、あの………」
ものすごく、テンパると言うか、混乱する。
完全なパニック状態だ。
「ええと……その………」

「誕生日おめでとう」
微笑んで、やっと言えた。
今日、一番言いたかったことを。

アイツ……土方は、笑って返してくれた。



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