青き夢
□積もった想い
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sideK
Letters No.1 △月○日 うちはサスケ様
ごめんな。サスケ。
昨日の夜遅く、お前の家の前を通りかかったら
電気がついて、窓が開いていた。
少しだけ中を見てみるつもりだったのに
窓のすぐ下の机につっぷして、お前は寝ていた。
握られたままのシャープペン。
手紙の中で繰り返されるオレの名前。
上を向いた右頬と、手紙には、涙の跡。
すまない。
こんな風にお前の心を覗きたかったわけじゃない。
きっと読まれたと知ったらお前は傷つくだろうのに。
こんな風にお前を苦しめたかったわけじゃない。
オレは、お前のことが好きだよ。
ガキでも好きだよ。
お前がオレのこと嫌いでも好きだよ。
手紙なんて、生まれてはじめて書いた。
何枚も、何枚も書いて。書きつづけて。
桐の箱にしまえばお前の気持ちがわかるだろうか。
百枚書けばわかるだろうか。
二百枚書けばわかるだろうか。
ああ、サスケ。オレもまだ答えは出ないよ。
恋愛って難しいなあ。
…好きだよ。サスケ。