青き夢

□過去を聞かせて
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sideI

ナルトに鼻の傷のことを聞かれた日からもう二週間がたった。

その間、あいつは一度も俺の家にご飯を食べに来ない。
廊下ですれ違っても、すっと顔を背けられる。

「ナル…」と小さい背中に投げかける俺の声が空虚に響いて、うつむいた。



教えてやればよかった。



「これは昔、二股かけてた女に、クナイで切りつけられた傷だよ」

そう言ってやればよかった。

今まで、誠実でいたこともないのに、ナルトにだけは誠実でいたいと思った、これは罰か。
ならばせめて、遠くからもう一度だけでもナルトに会いたい。

そう思った時、オレンジ色のジャンパーが目にうつった。

栗の木の下で腕立て伏せのような動作をしている。

「…?」

何をやっているのだろうと見ると、ナルトにちょうど押し倒される格好でサスケがいた。

二人も、服こそ脱いでいないが、ナルトの顔は上下している。

(キスをしている…?)

ちくり、と胸が痛んだ。

「そうだよ、な。ナルトは若いんだ…」

ぽつり、と声が漏れた。

今日はナルトの家に行こう。
サスケという新しい恋人ができた今、オレなんて必要ないだろうと。

もうこんなのはたくさんだと言おう。

オレに二股をかけられた彼女も、きっとこう考えていたのだろうと、顔も忘れてしまった女に心でわびた。
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