dream4

□技局☆クエスト
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技局☆クエスト〜幻の薬草を求めて〜




新しい新薬の発明に置いて必要な薬草が未だ未入手である為、局長率いる技術開発局局員が総動員となり瀞霊挺から南へ進む事丸五日

私達一同は尸魂界最後の秘境へと向かった

幻の薬草「鳴人草」を手に入れる為……





「局長、此所は一体何処なんですかぁ。
皆とはぐれちゃいましたよ〜…」


生い茂る密林をなんとか潜り抜けながら、前を歩く局長の後ろ姿へと問いかける

秘境に辿り着くや否やこの密林の中で他の局員とはぐれてしまいとうとう目の前の局長と私の二人だけになってしまったのだ


「おかしいネェ、文献によればもうすぐ湖が見えてくる筈なのだが。
羅針盤も壊乱してしまったようだヨ、ホラ」


差し出された羅針盤を覗くと針が回転し続けており
つまりこの状況が差す意味とは……


「ネ」


「ネ。じゃないですよッ!!
どうするんですか、私達完全に迷子になってるんですよ!
あああ…こんな所来なければ良かったぁぁ…
帰りたいよぉー!誰かー助けてー!!」


泣き崩れ地に膝をつけると肩に置かれる局長の掌

振り向くと目を細め優しい眼差しで微笑む局長の表情があり、私の心に少しの安堵が生まれた


「科学者たる者、どのような状況に於いても諦めてはいかんヨ。
それに、いざとなれば此処を新天地として生活を始めれば良いだろう?」


「……仰る意味が解りません」

「解らんかネ?
偶然にも此処には健康体の男女が二人。子孫を残し続ければ第二の瀞霊挺を造り上げる事も夢じゃアない」


「もう喋らないでくれませんか、私今疲れてるんです…」


頭を抱えこの状況下の打破を考えていると、後ろから局長の舌打ちが何度も聞こえ鬱陶しい


「オイ、そろそろ日が沈むヨ。今夜はもう何処か雨風凌げる塒(ねぐら)を探した方がよさそうだが」


「いや、早く脱出しましょうよ!!
懐中電灯があるから暗くなっても…」


背負っていた大きなリュックを降ろし中を漁る
懐中電灯を取り出すと、局長が顎の金具に手を翳し難しそうな表情を浮かべていて


「な、なんですか……?」


「イヤ、私は問題ないのだがネ。この秘境は日が沈むと同時に様々な肉食の猛獣珍獣が餌の血肉を求め…」


「一刻も早く今夜の塒を探しましょう!」


リュックを背負い直し、局長の羽織を引き歩き出した

だってそんな話されたら怖くてとてもじゃないけど密林を彷徨う事なんて出来ない
出来る訳がない…!


小一時間程歩き続け、とっぷりと日が沈み闇が視界を埋めた頃

私達は漸く岩場の隙間に出来た洞窟を見つけ其処へ脚を急がせた


私は今夜一晩、局長という名の変態から私自身の女を守らなくてはいけない



絶対に。





続いちゃう……

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