book1-inazuma-

□その箱の中には
4ページ/5ページ

何か恐ろしいものが入っているのではないかと思っていたから、はっきり言って少し拍子抜けしてしまった。


「頑張ったってこうゆうことか。でもあの不器用な風介がよく作れたな。あれ、手紙がついてる…」


手紙を見たあと蓋を開けて、俺は勢い良く屋上を飛び出した。

「風介!来い!」
「え!ちょ…」


教室にいた風介の手をひいて再び屋上へと向かう。


屋上に着いた途端、俺は風介を抱き締めた。


「お前ベタすぎ…ハートのでんぷんの上にのりで大好きって…ほんとかわいい。」
「手紙に書いただろうっ…だからあれは…」
「どっちにしても嬉しいんだよ。ありがとう、風介。」
「…うん。」


俺の言葉に、風介が微笑んだ気がした。


そんな風介がかわいくて、さらに風介を強く抱き締めた。


『いつもありがとう。いつか、晴矢にもっと上手に作れるようになるから、ずっと側にいて。これは私の気持ちです。』
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ