book1-inazuma-
□ありがとうの言葉と共に
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「・・・ん・・・」
目を開ければ、いつもの天井と隣で眠る晴矢。
「ずっと・・・離さないでくれているんだね。」
10年前から、あの日からずっと。
普段見えない胸に顔をうずめる。
いつもいつも、温かい体。
いつもいつも、私を包んでくれた腕。
いつもいつも、眩しいくらいに明るい笑顔。
そして、あの日私の手を取ってくれた少し大きくて温かい手。
「ありがとう、晴矢。」
いくら言っても、足りない。
だから私は、これからも君の隣で言い続けるよ。
君の唇に私の唇を重ね合わせて。
この言葉と共に。
晴矢・・・
「愛してる。」