book1-inazuma-

□君を僕が温めてあげる
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「痛いいいぃぃ…」
「大丈夫か?薬持って来ようか?」


泣きそうな声で俺のベッドで横になっているのは、恋人の涼野風介。


10分程前に、「お腹が痛い」と俺の部屋に助けを求めてきたのだ。


「照美なら持ってるかな…よし。ちょっとまっ…風介?」
「いっちゃやだあ…」


部屋を出ようとした俺の服の裾を掴み、そう必死に懇願してきた風介をなだめながら俺は風介の横に座った。


「じゃあお腹さすってやるから、こっちこれるか?」
「ん…」


膝に頭を乗せさせ、優しくお腹をさすってやる。


しばらくやっていると痛みがひいてきたのか、風介の顔が少し穏やかになった。


「少し楽になったか?」
「うん…ありがと…なんだかこうゆうのって懐かしいね。」
「え?」
「私は、昔お腹が痛くなったらお母さんがこうしてくれたんだ…」
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