book1-inazuma-
□気付きたくない心
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最近、バーンを見ると胸が苦しくなる。
バーンとすれ違うだけで、鼓動が速まる。
何故だ、と問っても答えが見つからない。
バーンは称号を争う敵。
それ以外の感情は、ない。
それなのに、
「よぉ、ガゼル。今日のシュートよかったじゃねぇか。この調子で頑張れ。」
そうやって笑顔で言われると自然に口元が緩む。
でもそれと同時に、泣きたくなる。
そんな笑顔を私に向けないで。
そんな優しく言葉を私にかけないで。
そうしないと、私は期待してしまうから。
叶うはず、ないのに。
気付きたいのに、気付きたくない。
私はバーンが好きだなんて。