book1-inazuma-
□ありがとう
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まだ少し雪の残る道。
桜が咲くのは、もう少し先か。
「もう・・・卒業なんだな。」
少し文字がにじんだ卒業証書を手に持ったまま、3年間過ごした校舎を見上げる。
3年前、入学式にこの校舎を見上げたときよりも、少し小さく見えた。
ここには、たくさんの思い出がある。
エイリア学園の頃の思い出もたくさんある。
悲しかったこと、つらかったこと、楽しかったこと、うれしかったこと。
たくさん、たくさんあった。
なくしたものも、たくさんあった。
でも、それよりも大切なものを見つけた。