book1-inazuma-
□過信してもいいよな
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「あれ?あれは…」
俺は歩いていた足を止めた。
練習が終わって部屋に戻ろうとしていると、俺の部屋の前でガゼルが立っていた。
何をしているのか、俺の部屋の前でうろうろしては顔を赤らめたり、ノックしようと出した手を引っ込めたりと、よくわからない行動を繰り返していた。
「何やってんだあいつ?」
声をかけようとガゼルに近づこうとして、俺は足を止めた。
ガゼルが深呼吸をして、ゆっくりと部屋の扉を叩いたからだ。
現に俺がここにいるのだから、部屋には誰にもいないことはわかっているが、ガゼルがどんな顔をするか気になった。