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□二面相
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「こんにちわ、アントーニョさん」

「うぜえ、話しかけんな」

何だこれは



俺の頭の中では2人の人物が行ったり来たりしている。


いや、2人の人物?



違う。




2人の同一人物・・・・・・だ。








俺が狂いだしたのは、アントーニョに告白された時から。

しかし、


その告白は、告白じゃなかったらしい。


「ごめんな、今の嘘やねん」


告白されて、俺も・・・と言おうとした時。


かき消されたその言葉。




「ごめんな、ロヴィーノ」



「うぜえよ、喋りかけんな」



「ロヴィーノ・・・・?」


「きもい。

 失せろ」


俺はそう吐き捨てて自宅に帰った。

上手くポーカーフェイスを装えたと思う。
自分で分かるくらいに。

でも、頭の中はアントーニョの言葉でいっぱいだった。



何で・・・。


嘘、なんだよ・・・・・。








ロヴィーノが狂いだしたのは、俺が告白した時から。


いや、"未遂"だったのかもしれないけれど。


「俺・・・ロヴィーノが好きやねん」

「・・・・・・」

俺が告白したのも、好きなのも全部全部本当。

ロヴィーノを同姓だとしても、愛していたし
愛しかった。


だけど、


俺が告白してからうつむいたままのロヴィーノを見て俺は確信した。

これは"いいえ"だと。


その時間があまりにも辛かったので、俺は最低な事を言った。


「ごめんな、今の嘘やねん」







俺は家に帰って部屋に閉じこもった。

弟のフェリシアーノはまだ帰ってきていないらしい。


俺は1人ベッドで泣いていた。


それがどれだけ情けないことかも知っていた。

けど、涙が止まなかった。


「くっそ・・・・

 俺じゃ、駄目なのかよ・・・」


もう嫌だ。

何もかも。

明日アントーニョに顔を合わせたくない。

学校に行きたくない。

行きたくない。

生きたくない。

逝きたくない。


「もう・・・・・・

 嫌だ・・・」

俺はそのまま眠りについた。







俺はロヴィーノに合わせる顔が無かった。


しかし、ロヴィーノは何故鳴いていたのだろう。
こういうとき鈍感というのは本当に困る。


「俺が・・・男やのに好きなんていったから・・・

 軽蔑されてもうたかな・・・

 きもいって言われたし・・・・・」

俺はそのまま眠りについた。








目を開けたとき、もう学校は完璧に遅刻な9時になっていた。

今更行ってもなあ・・・。

そう思い今日は休むことにした。


そう思っていると一本の電話が入った。


思い受話器を取るとそこには良く知っている
フェリちゃんの声が聞こえた。


声は、いつもとは違い穏やかじゃなかった。


「アントーニョ兄ちゃん!!!!

 大変なの!!

 ・・・兄ちゃんがあ・・・!!」

俺は急いでロヴィーノの家に戻った。







何で?

俺は何でこんな所にいるんだろ。


此処、何処かな。

それに変な男もいるし。



此処、俺の家じゃないよな。


そうしたらいきなり、変な男がまた来た。

長髪の奴や、銀髪の奴、俺と見た目が似ている奴。

そして最後に来たのは・・・


「ロヴィーノオオオオ!!?」


でかい声を出してる男。

五月蝿いよ?


注意したのに、この男は聞きもしない。

馬鹿。



「ロヴィーノ!!?

 ロヴィーノ・・やんなあ!!??」

「アントーニョおちつけって」

長髪の奴が、でかい声を出す男を注意した。

すると収まった。

俺では駄目だったのに。



「馬鹿」


そう言ってあげた。

駄目だなあ。

そう言うと、その男はいきなり抱きついてきた。


男同士で、気持ち悪いな。


「離れてください。

 気持ち悪いです」

そういってあげた。

なのに、俺の言ってることは正しいでしょ?


なのに、何でそんな顔してるの?

目を見開いて、絶望に満ちた顔。


嗚呼。


良く分からない。

何が、どうなっているの?





つづく


clap内で続きます。
このお話は次のお話を更新する時にLongにおいておきます。

たまに、これを抜かして短編を更新するかもです、すいません。


でわでわ!

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