Breakage Shop

□言刃 〜ソウサク〜
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「二目が商店街で二人ペアの旅行券を当ててな。旅行だ。」

「二人共昨日居たのに聞いてないんですけど?!」

「今日当てて今日行ったからな。」

「(思い立ったが吉日かよ)」


なんと言うことか、二人は午前中に当てた旅行券ですぐ様旅行へと出掛けたのだ。思い立ったが吉日とはよく言うが、当日当てて当日出発は些か急である。

しかし一魔からしたら一人になれる絶好の機会。故に許可したのだろう。

彼女の突発的な行動はいつも通りだが…今更驚く事ではない。
由利はそう溜息を吐きつつ、改めて先程の一魔の呟きについて問い掛ける。


「で、何がくだらないんですか?」

「あぁ、最近漫画や作品についての討論が多くてな」

「んで他人事でくだらんですか」

「…俺は漫画を読まんからな」


そう、彼がくだらないと吐き捨てたのは最近起きている漫画や作品についてのあらゆる討論である。
勿論一魔からしたら自分の事ではないので他人事。

だが社会的には無視も出来ない問題だ。


「この頃、漫画を海賊サイトへの無断アップロードする行為が続いている。その傍ら、読者は作品に対してパクリだの啄く輩も続出。」

「酷い…。」

「お陰で連載を辞める漫画家も続出だ。売り上げが行かず連載終了。誹謗中傷で辞める者も。」


何とも言えない状況だ。
様々な方面からの被害等で、今や日本の文化とも言える漫画等といったメディアが消えゆく事になっている現状。
無断転載、無断アップロード、誹謗中傷。これらは日々耐えることは無い。

しかしそれが何故、一魔にとってはくだらないと言える事なのか。他人事…など言えるだけではない。


「俺の言うくだらんとは、無断アップロードを平然と読んでる奴らの言い分も込だ」

「言い分…?あっ」


すっかり庭掃除の手を止め、由利は一魔のスマートフォンをのぞき込む。
そこに書き込まれていたのは、無断アップロードを辞めて欲しい漫画家への書き込み。


「えーっとなになに…?『漫画を買えないから無料で見ても良いじゃない』…?」

「他にも『田舎では買えない身としては有難い』『ネットで買えないから見てる』だ」

「いやアンタ、何でネット見てんのよ」


由利の鋭いツッコミが書き込み主達を突き刺す。


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