銀魂

□花魁道中・弐
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「失礼いたしんす。」
そう言って、ふすまの外から声をかける。
するとすぐにふすまが開いた。
ふすまを開けたのは自分をこの揚屋に呼び出した高杉晋助だった。
自らふすまを開けるために立ち上がったのだ。
ふすまの前で手を付いていた九兵衛は驚いて高杉を見上げたが高杉はしゃがんで九兵衛に目線を合わせ、
「随分遅かったじゃねぇか。」
と言う。
「高杉の旦那様はいけずやわァ。
呼び出されてすぐに店を出てきたでありんす。」
そう言って流し目を送ると高杉は口元に笑みを浮かべた。
「早く中に入れ。」
そう言って腕を掴み、九兵衛を立ち上がらせる。
そして中にいた芸者たちに
「もう帰れよ。」
と言って九兵衛を中に引き込んだ。
「高杉の旦那様、それはあんまりでありんす。
呼んだばかりでござんしょう?
お姐さんたちも困るでありんしょう?」
九兵衛は慌てるが、
「金は十分に払ってる。
文句はねぇよな?」
高杉の言葉に芸者たちは
「おおきに。」
と部屋を出て行き、九兵衛は高杉と二人きりになる。
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