銀魂

□商社・真選組5
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土方はスナックすまいるの前にいた。

昨日、総悟と外回りをしていて昼食を取るのに総悟に付き合って九兵衛の大学に顔を出した。
そこで土方の大学時代の同期で、今は九兵衛の大学の助教をしている坂田銀時と会って、銀時の九兵衛に対する気持ちに気がついた。

そしてついでに今まで気がつかない振りをしていた自分の九兵衛に対する気持ちにも気がついてしまった。
気がついてしまったら、もうどうしようもできない。
相手が未成年だとか、部下の妻であるだとか、分かっていてもそれが抑止力になることはない。
それよりも何とか九兵衛に会いたい、話をしたいと思ってしまう。

だから、仕事が終わったあと、土方はすまいるに来ていた。
九兵衛はここで火曜と木曜、七時から十時まで働いていると言っていた。

今日は火曜日、九兵衛が出勤する日だ。
総悟も
「今日は九ちゃんが帰りが遅い日だ〜。」
と退勤間際にぼやいていたから、仕事なのは確実だ。
だからここにくれば会えると思った。

けど、ここにきた理由をなんて言えばいいだろう?
部下の嫁の勤めてるキャバクラに一人で来てその嫁を指名するなんて不自然じゃないかと思う。

不自然だけど、でも会いたい。

ちょっと苦しいけど店の雰囲気が気に入ったとでも言うことにしよう、そう思って土方はすまいるのドアを開けた。

「いらっしゃいませ。
以前、いらしてくださった方ですね。
今日は指名、いかがいたしますか?」

出迎えてくれたボーイは前に来た時と同じ人で、土方の事を覚えていたらしい。

「九ちゃんって子は今日は来てるのか?」
土方が聞くと、ボーイは
「はい、います。
九ちゃんご指名でいいですか?」
と確認してきた。

「ああ、彼女で頼む。」
土方はそう言っていた。
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