銀魂

□万事屋学院高校の新学期4 合宿1日目
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夕食が終わり、いつもの通り銀時はジャンプを読んでいた。

そんな銀時に九兵衛が洗い物をしながら
「29日から2泊3日で剣道部の合宿に行くから。
坂本先生が、自腹で剣道部全員を箱根の老舗旅館に連れて行ってくれるんだ。
僕も、顧問として一緒に行く事になっている。」
と言った。

銀時は驚きでジャンプから顔をあげる。
「剣道部の合宿?!
辰馬の野郎、余計なことを!」
そう言って怒る銀時。

「坂本先生の実家は裕福らしいな。
それで、坂本先生が自腹で剣道部全員を合宿に連れて行ってくれるんだ。
今年の四月は29日が金曜で、土日が休みで三連休だからな。
2泊3日も老舗旅館での合宿だそうだ。
すごい人だな。」
そういいながら洗い物をしている九兵衛を銀時はムッとした顔で見てる。

「自分で指導すればたいしたもんだけどな、指導を九ちゃんに任せてる以上はただの馬鹿だ。」

「仕方ないじゃないか。
どうせ合宿なんて言ったって、坂本先生は指導なんかしてくれないんだ。
生徒たちは5月の集英高校との練習試合に勝つための合宿だと思ってるけど、坂本先生の目的はどちらかと言うと新入生集めの方なんだから。
先生が自腹で合宿連れて行ってくれるなんてぜひ入部したいとかいう生徒がでてくるんじゃないかと言ってた。」

九兵衛の言葉に銀時は頭を抱えた。
「自分で面倒見ないのに部員増やしたいの?!
馬鹿なの、あいつ馬鹿なの?!
なんでそんなに馬鹿なの?!」

「それなら銀時も坂本先生に頼んで同行すればいいんじゃないか?
今回の練習試合、近藤と土方、沖田なんかも助っ人としてくるから合宿に参加するんだ。
人数が多いから、僕だけで手が回りそうもない。
でも、銀時が来てくれれば助かる。
銀時も基本なら指導できるだろう?
僕から坂本先生に頼んでみる。」
九兵衛が笑顔で銀時をみた。

その笑顔と、土方も来るという言葉に銀時は何が何でも自分もついていかなければ、と強く思う。
まず、剣道部には東城がいる。
東城は未だに九兵衛を触ることに躍起になっている。
剣道に関してはまじめらしく、部活中は九兵衛に触ろうとか何とかしようとはせず真剣に取り組んでいるそうだが心配で仕方ないのは事実だ。
それに三年二組の南戸は万事屋学院高校は男子校なのに校門のところに日ごとに違う女を待たせている。
部長の北大路はまじめだが九兵衛に気がありそうだったし、不真面目だが一応剣道部に所属している高杉も九兵衛を口説いてるようだったし、河上だってこの間の登校指導で九兵衛の笑顔をみて赤くなっていた。
そんな男どもがいる所に九兵衛を一人にするわけに行かない。

本来の顧問のくせに何もしない坂本の代わりに自分が指導するのは嫌だが大事なものを守るには致し方ない。


そして辰馬はさすがボンボンだけあって二つ返事で銀時の合宿同行を了承した。
しかし、銀時の誤算は銀時が合宿に行くことを知ったあやめも保健の先生であるという権限を利用して合宿について来てしまったことだった。
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