黒子のバスケ
□忘れられても、愛してる
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高校二年生から付き合い始めた緑間とさつきは、大学も同じところに通うことになった。
さつきは保健学部で、緑間は薬学部。
薬剤師の資格を取得するというので、緑間は六年大学に通うことになる。
一方のさつきは大学は四年で卒業し、就職する事になる。
さつきは理学療法士になって、アスレチックトレーナーの資格を得て、卒業後はプロバスケチームに就職が決まった。
そのチームにはキセキの世代からは青峰と紫原、他に火神と氷室と森山が所属している。
緑間は大学でバスケの一線からは退いたけれど、高尾もさつきとは別のプロチームに所属しているし、笠松と黄瀬と今吉も一緒にさつきや高尾とはまた別のプロチームに所属している。
赤司と黒子と若松と宮地もそれらの人たちとはまた別のプロチームに所属して、大坪と福井が同じプロチームに所属している。
今のプロバスケのチームに所属する選手には緑間の知り合いが多い。
そしてみんな、さつきとの接点がある。
緑間とさつきの関係を知っていても、それでもさつきを諦めきれない人間がいることを知っている緑間は、さつきの就職が決まった時、さつきに今までペアでつけていたシルバーの指輪ではなく、きちんとしたエンゲージリングを贈った。
「オレの親戚に5年間の海外赴任になったご夫婦がいるのだよ。
その間、親戚のマンションに住んで欲しいということなので、一緒に暮らさないか?」
と言う言葉とともに。
さつきは涙をこぼして
「はい。」
と言ってくれた。
それから、両家へのあいさつやマンションを貸してくれる緑間の親戚への挨拶などをこなし、二人は結婚は5年後にする、それまでは同棲という形で親戚のマンションで暮らす事に決めた。
そのことはキセキの世代には緑間自身が、同じチームに所属している火神たちと桐皇のメンバーにはさつきが報告をした。
みんなは驚いて、でも表面上は祝福してくれた。
そうして二人の同棲生活は始まった。