黒子のバスケ

My Little Girl
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それから3日間、さつきは黒子たちの家にいた。
朝は黒子が保育園に連れて行き、夜は黒子が家につれて帰ってくる。

3日目にさつきの父親が行方不明になったことが分かった。
会社も無断で退社し、姿をくらませてしまった。
貯金などは全て持ち出していたため、自身の意思による失踪という事で、親戚のいないさつきは施設に引き取られる事になった。


「お世話になりました。
どうもありがとうございました。」
と笑ってお辞儀をしたさつきを黄瀬は泣きながら
「ここでずっと一緒に暮らせばいいっスよ〜!」
抱きしめ、紫原も
「さっちん、おいしいご飯たくさん作ってあげるからここで一緒に暮らそう?」
と黄瀬からさつきを奪って抱きしめ、青峰も
「さつき、お前だってここにいてーよな?」
と紫原に抱きしめられたさつきの顔を覗き込み、緑間も
「お前がここにいたいというのなら、いつまでもいていいのだよ。」
と子供には分かりづらいツンデレを発揮しながら涙ぐんでいた。

「お父さんは人に迷惑をかけてはいけないと言ってました。
自分の事は自分でしなさいと言ってました。
だからさつきは自分の事は自分でします、大丈夫です!」

父に捨てられ、生活環境が変わることに不安を感じないわけじゃないだろう。
なのにけなげなその言葉に、赤司まで目を潤ませた。

「さつき、君を育てる事を迷惑だ何て思う人はここにはいないよ。
むしろ僕たちはさつきがいなければとても寂しいよ。
さつきがいなくなる方が僕たちは迷惑するよ。
だから僕たちに迷惑をかけたくないのなら、ここにいてくれないかな?」

最終的に赤司がそう言ったことで、後はどういう手続きを踏んだかは分からないが、さつきは施設には行かずにここで暮らす事になった。

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