黒子のバスケ
□いちばんすきなひと
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そんな二人が別れたのは高校二年の夏。
IHの終わった後。
別れを切り出したのも黒子だった。
「テツくんに振られちゃった〜」
と大泣きするさつきを慰めてやったのは青峰だった。
その時も黒子にメールを送った。
何でさつきと別れたのかと。
黒子の返信はやはりたった一言だった。
『彼女がすきなのは僕じゃないからです』
テツくんに告白されたのと大喜びし、デート内容を逐一報告してきて、テツくんに振られたと泣いてるさつきが黒子を好きじゃないなんて青峰には信じられない。
だけど黒子はさつきは本当は自分を好きじゃないという。
青峰にはよく分からなかった。
その後、さつきはいろんな男と付き合った。
青峰の幼馴染は、見た目は美人だ。
本来の性格はちょっとアレだけれども、ネコをかぶるのも抜群に上手い。
大体の男は騙される。
愛想のよさと、見た目のよさと、ネコをかぶった性格に。
さつきに告白してくる男は後をたたず、さつきは短いスパンでの恋愛を繰り返した。
なのにそれでもさつきと別れた男は
「桃井さんと付き合えただけで幸せだった。」
とさつきを悪く言わなかった。
だからだろうか、さつきを男好きとか男にだらしないと言う人は少なかった。
それでもそんな恋愛を繰り返す幼馴染に青峰は
「いい加減に誰かに絞れよ」
と言った事はある。
さつきは
「だって、みんな言うんだもん。
私、ほんとに相手を好きだと思うのに、みんな言うんだもん。
君の一番はオレじゃないって。
私は私なりに、たくさんたくさん、彼を大切にしてるのに一番じゃないってなんなの?」
と声を震わせていた。
青峰の幼馴染の桃井さつきは容姿端麗で、スタイルがよくて、性格はちょっとアレだけれどネコをかぶるのも抜群に上手くて、情に厚くて、なのに恋が続かない。
だけど青峰は世界の何よりも誰よりも、その幼馴染が大事で愛しくて…一番好きだ。