黒子のバスケ

今はまだ、このままで
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「今日もね、ミドリンが勉強教えてくれるって言ってくれてね、そしたらいつの間にか赤司くんが後ろにいていや僕が教えてあげようとか言うの。
だから今日はきーちゃんと勉強する約束してるからって言ったんだ。
で、図書室だと赤司くんやミドリンに会うかもしれないから、今日はマジバにしてもらったの。」

さつきの言葉に黄瀬は心の中で泣きたくなった。
明日、赤司と緑間に睨まれる、絶対。
「黄瀬、今日のメニューは3倍だ。」
という赤司の声と、自分をたえず狙う3Pが容易に想像できて、黄瀬は遠い目をした。

そんな黄瀬の顔をさつきが覗き込む。
「きーちゃん…どうしたの?」
声をかけられてハッとなって前をみて、黄瀬は赤面する。
さつきの顔が自分のまん前にあった。

(ちょ、近い近い近い…桃っち近いっ!)

間近にあるさつきの顔はだけどモデルの黄瀬が見とれるほど綺麗で、バスケ部が誇る天才と秀才、赤司と緑間がさつきを好きだと言うのも分かると思った。

二人が怖くて、さつきを本気で好きになんてなれないけど、やっぱり可愛くて綺麗だとは黄瀬も思うから。

「桃っち、ちょ、顔近いから。」
「ああ、ごめん!
でもきーちゃん、近くで見ると本当に綺麗な顔してるね。
肌すべすべだし、まつげ長ーい!
いいなぁ…。」
さつきは黄瀬の顔をまじまじと見てから椅子に座りなおす。

黄瀬は心臓がドキドキしてるのを隠しながら
「いや、桃っちの方が綺麗っス。
桃っちくらい綺麗な子、モデル仲間にもいねぇっスもん。」
すっかり冷たくなったポテトを摘む。

摘みながら、黄瀬は一ヶ月前の部室での赤司と緑間のやりとりを思い出す。

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