黒子のバスケ

賢者は歴史に学び 愚者は経験に学ぶ
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WCの後で3年は引退して、新しい主将は今吉サンに指名された若松がなった。

だけど主将としては不慣れな若松は、さつきにサポートしてもらう事が多い。
それが気に食わなくて、オレとさつきのケンカが増えた。

それでもさつきは若松を、部活を優先した。
今まではオレを優先してくれたのに。

さつきと話し合いを重ねて、若松は個人主義は重視するが、打算じゃなくて信頼で繋がるチームを目指す事にしたと言った。
さつきはそんな若松の隣にいつもいた。

週に一回、バスケ部全員で校舎の掃除するとか、部室と体育館の掃除は一年から三年までみんなでやるとか、若松は部員全員が参加する行事を提案して、それに反対する部員を説得したのはさつきだった。


それを一度、黄瀬に愚痴った事がある。
そんで黄瀬に
「桃っちは献身的っスからね。
青峰っちだって分かってるっしょ?
あれはもうああいう性格なんスよ、多分。
若松さんに対して何か気持ちがあるわけじゃねーから、気にしないことっス。」
って言われた。

まぁ確かにあいつは中学の時から赤司の傍らで赤司をサポートしてたし、あの緑間とも普通にやりとりができたし、紫原が腹へって騒ぐ前の絶妙なタイミングで菓子を食わせてやったり、テツがぶっ倒れる前にストップかけて休憩させたり、モデルやってて授業や部活に出れなかった時は黄瀬に授業内容や練習内容書いて渡してやったりしてた。
辞めたいって弱音吐く部員を励まして、支えてやってた。
だからそういう性格だから仕方ねーと思うことにした。

そしたら少しだけ、ケンカが減った。
そのせいか、ある時、さつきが機嫌よく、次の日曜日は部活が午前中だけだから、午後からは一緒に映画見に行こうって誘ってきた。

「たまには二人で出かけようよ。
ね、大ちゃん。」
嬉しそうなさつきにオレも内心は嬉しかったが、やっぱり気恥ずかしくて
「仕方ねーな。」
なんて返事して。

「嬉しい!
楽しみだね、大ちゃん大好き!」
って笑うさつきにオレは
「あっそ。」
なんてそっけなく答えたのに、それでもさつきはすごく嬉しそうだった。

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