黒子のバスケ

野獣の恋
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ホテルの受付に頼んで洗ってもらったハンドタオルを見つめて岡村はボーっとする。

桃井さつきちゃんか…可愛かった、美人だった。
なのに、年下の部員にすらイジられる自分にすごく優しかった。
ガムもくれた。
タオルも貸してくれた。


「なにしてんの、お前。
タオルじっと見て。」
同室の風呂上りの福井が岡村に声をかける。

「桃井ちゃん、可愛かった…」
それに対し、岡村はぼんやりと答えた。

「ああ、可愛かったな。
お前、あんな可愛い子に彼氏がいねーわけねーだろ?
紫原の話だと、青峰が放っておけないって青峰と同じ桐皇に行ったらしいし、諦めろ。」
ぼんやりとしてる岡村に福井が言う。

その言葉に岡村は顔を上げた。
「えっ…?!」

「幼馴染なんだとよ。
青峰とあの子。
よくあんじゃねーか、ある日突然恋に落ちる幼馴染とか。
そういうこともあんじゃねーの。
だから諦めろって。
でもまぁ、そのタオルは返してやれよ。
そのまま返すなよ、何かプレゼント添えて返してやれよ。
恋の相手にはならなくても、お前の好感度くらいは上げておけばいいじゃねーか。
好きなものはさくらんぼで、趣味は入浴剤集めだってよ、あの子。」
福井がにやっと笑った。

「そんなの、どうやって知ったんじゃ?!」

「紫原にまいう棒50本やるって言って赤司に聞き出してもらった。
紫原にはお前がまいう棒50本、渡しとけよ。」

「もちろんじゃ!」
岡村は叫んでいた。

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