黒子のバスケ
□無限大の愛
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「休憩になったから、一緒にどこかを見に行こうよ。」
さつきは赤司に走りよるとその手を掴んで歩き出す
どこに行こうかな、とりあえず部室に…そこなら私の着替えもあるし…。
そう思いいたり、部室に向かって歩くさつきの腕を引くと、赤司は自分が着ていた薄手のジャケットを脱ぎ、さつきの肩にかけた。
「なんて格好をしているんだ。
露出の多い服は着るなといつもいつも言っているだろう。」
自分を取り戻した赤司はさつきを見る。
黒い髪、露出の多い服、大ぶりのイヤリングに高いヒール。
全てが普段のさつきとかけ離れている。
そして、自分が横にいてジャケットも肩にかけているのにそれでも
「ハンコック…」
「すげぇ美人」
なんて声が聞こえてくるし、赤司はこんなさつきを他の人の目になんか触れさせたくないと思う。
「行くぞ。」
足は自然と屋上に向っていた。
「征くん?
どこに行くの?」
さつきは足早に歩く赤司に聞くが、赤司は黙っている。
「征くん?」
何度呼んでも返事をしない赤司がさつきに話しかけたのは、屋上についてから。
屋上に着いた赤司は、さつきをギュッと抱きしめた。
「そんなさつきを他の人間の目に晒したくない。
僕のさつきなんだから。
僕だけの、さつきなんだから。」
ああ、私、愛されてるんだな…。
赤司に抱きしめられて、さつきは自分も赤司の背中に手を回しながら、思う。
「私も、私も征くんが好き。」
「僕もだよ。
だからわざわざ会いに来たのに、まさか、さつきのこんな姿を見るはめになるなんて思わなかったよ。
さつきは目を離すと何をするか、本当に分からないな。
だからさつき、高校を卒業したらもう、僕はさつきを自分の手元に置いておく。
絶対に離さない。」
赤司はさつきと離すと自分のスポーツバッグから小さな箱を取り出した。
まだこれからも遠距離恋愛を続けなければいけない自分達。
だけど中学の時は色々忙しくて、彼女の誕生日も会えなかったし、プレゼントも贈れなかった。
だからプレゼントにとペンダントを持ってきていた。
∞をモチーフにしたペンダントで、自分のさつきに対する愛は無限大だなんてちょっと恥ずかしい意味も込めてある、シルバーにエメラルドとターコイズ…さつきと自分の誕生石が側面に一つづつ配置してあるペンダントだ。
指輪にしなったのが悔やまれるが…
「これはさつきが僕のものだっていうしるしだ。
愛してるさつき。
高校卒業したら、同じ大学に通おう。
そして、高校卒業したらすぐに結婚しよう。」
赤司はさつきの唇にキスを落とすとさつきを抱きしめた。
強く。
「返事は今じゃなくていい。
結婚なんて大事なこと、すぐには決められないだろうから。」
「ううん、そんなことないよ。
私には征くんしかいないから。
征くんだけいればいいから。
結婚、します。」
返事は急がないと言った赤司に、さつきは即答する。
「私だって征くんを愛してるから。
だからそれまで、待っててね。
私、征くんにふさわしい女の子になれるように頑張るから。
努力するから、私。」
赤司に抱きつくさつきに赤司は笑みを浮かべていた。
僕もさつきも、離れていてもやっぱりお互いに想い合っているんだな。
見慣れない露出の多い格好をしていても、そんなさつきを誰にも見せたくないくらい、僕はさつきを独占したいんだから。
愛しているんだから。
僕のさつきに対する愛情は、無限大だ。
END