黒子のバスケ

灰色の彼
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「ショウゴくーん!」

青峰に殴られた頬を撫でていた灰崎は声をかけられて顔を上げる。
そこにはさつきがいた。

「まったく、なんでこう憎まれ役ばっかするの?
大ちゃんがバスケを大事に思ってること、私に見せるためにわざとあんなことしたんでしょう?」
さつきはぬらしてきたハンカチを灰崎の頬に当てながらため息をついた。


WC福田総合VS海常は海常が勝利を収めた。

その後のごたごたは灰崎が青峰がバスケを大事に思ってることをさつきに分からせるために仕組んだことだとさつきは分かってる。

黄瀬にバスケ以外の方法で復讐すると見せかけて、それに対して青峰が力づくで止めにきたらさつきが安心するだろうと思ったのだろう。
ボールを操る手で人を殴ってもらっても嬉しくもなんともないのだけど、そのあたりが分からないのは男の子って単純、と言った所なんだろう。

「うるせーな。
大会本部にチクるぞ、ダイキの野郎、目一杯殴りやがって…」
それでもそんなことを言う灰崎。

「そんなこと、ショウゴくんはしないって分かってますよ〜。
ショウゴくん、ありがとうね。」

さつきは笑うと灰崎の唇に自分の唇をそっと重ねた。

「もう大ちゃんは大丈夫だから、これからはもう少し自分の気持ちを考えてもいいかなと思うの。
ショウゴくん、明日は一緒にデートしよう!」
驚いてる灰崎にさつきは笑いかける。

「何言って…」

「あの時、背中を押してくれてありがとう。
ショウゴくんが背中を押してくれたから、今があるんだって、私そう思ってるの。
ショウゴくんのお陰だよ、ありがとう。
だけどね、その髪型はちょっとどうかと思うよ。
だから明日は美容院でその髪の毛直してもらおう!」

「うるせーな、余計なお世話なんだよ。
オレはこれでも気に入ってんだよ!」
灰崎はそういいつつもさつきを抱きしめた。

「いい美容院探しとけよ。」
ちょっと頬が痛いけど、灰崎はさつきの唇にそっと自分の唇を重ねた。

END

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