黒子のバスケ

この世界に一人しかいないあなたへ
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今吉翔一の場合


さつきが作ったデータをみての打ち合わせをしながら
「誕生日やのに練習でもうしわけないなぁ」
と珍しく申し訳なさそうに切り出す今吉。

「大丈夫です、中学の時からずっと、ゴールデンウィークは練習三昧でしたから。
慣れてます。」
と笑い、さつきはゴールデンウィーク最終日の練習試合の相手校のデータを提示する。

詳しくまとめられたデータを見ながら
「桃井のデータはほんまにすごいなぁ…」
と今吉は感嘆する。

「そうですか?
赤司くんたちが開花してからは必要がなかったデータですよ?
それでも、原澤監督や今吉さんたちは褒めてくれますけど。」
一瞬だけ俯いたあと、顔を上げて嬉しそうに笑うさつき。

今吉もその顔をみて笑う。
「今吉さんでもそんな顔して笑うんですね。
いつもそんな顔で笑ってれば好感度高いのに…」
と言うさつきに今吉は
「どんな顔してるかは分からんけど、きっと桃井にしか見せない顔や。」
と言うとさつきをじっとみつめる。

「それになぁ、ワシにはお前のデータが必要や。
お前のマネージャーとしての力が必要や。
お前という人間の存在が必要や。
おまえのためにワシら勝つからお前はベンチで見守ってくれたらええ。
お前は桐皇の勝利の女神や。」

「え?」

「誕生日おめでとうな、桃井。
試合も必ず勝つからな。
この練習試合だけやない、お前のデータを使こうてどんな試合も必ず勝ったる。
それがワシからお前への、誕生日プレゼントや。」

END

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