黒子のバスケ

私の世界を構成するもの
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「それってさ、愛じゃないの?」
そう言ったのはさつきの渡したタオルで汗を拭っている高尾和成。

「愛じゃないのっていくつ離れているのだよ、その男と桃井は。」
呆れた顔で高尾を見ているのは緑間真太郎。

「どうでもいいじゃねぇか。」
興味なさそうなのは青峰大輝。

みんな、大学バスケ部のマネージャーを勤めてるさつきにとっては、部活の大事な選手で高校時代からの友達でもある。
さつきの家庭事情も知っている。


大学までバスケをしていたと言う赤司の影響で、さつきは中学の途中からバスケ部のマネージャーを始めた。
「さつきには情報を集め、分析する力がある。」
と赤司は選手よりマネージャーをさつきに勧め、赤司の言う通り、さつきのスカウティング能力はすぐに開花した。
それからずっと、さつきはマネージャーと言う形でバスケに関わっている。

今は練習の合間の休憩中で、青峰に
「お前、20才になったらさすがに独立すんだろ?」
と聞かれ、それに出て行かないと答えたところだった。

「征十郎さんは私の世界を構成する人だもん。」
と。

「いやいや、それは愛っしょ。
だって私の世界を構成するのは征十郎さんなんて、愛以外のなんだっていうのさ?」
何が楽しいのか、けらけらと笑う高尾の頭を
「うるさいのだよ!」
と緑間が叩く。

「でもその赤司がお前をどう思ってるかはわかんねーけどな。」
青峰はそういうと立ち上がってタオルをさつきに投げてボールを手にする。

「分かってるもん、そんなこと…」
さつきはぽつりと呟いた。
そんな事は分かってる。
私の世界を構成するのは征十郎さんただ一人だけど、征十郎さんの世界は私で構成されてるわけじゃない。
そんな事はわかってるのに…人からいわれると胸が痛む。

さつきは青峰が投げてよこしたタオルをぎゅっと握っていた。

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