黒子のバスケ

□それでも君に恋してる
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4月になって、桐皇学園にも新入生が入部してくる。

新入生の話題の的といえば当然、キセキの世代のエース青峰大輝かと思われがちだが、桐皇学園のバスケ部新入生の話題の中心は青峰大輝…だけのことではない。
青峰と主将の若松孝輔、そしてマネージャーの桃井さつき、この三人の関係に関して…が新入生の話題の中心だった。

名門中学のバスケ部のエースクラスの生徒が桐皇バスケ部に入部してきたが、その新入生はまずキセキの世代のエース青峰大輝の目つきの悪さに怯える。
それと体格のいい主将の青峰を怒鳴る大声に怯える。
必要以上にすみませんを連発するレギュラーで二年の桜井にひく。

そんな新入生を癒すのがマネージャーの桃井さつきで。
しょっぱなからさつきに恋をする一年生が続出した。

だけど一年生みんなの憧れ桃井先輩は、常に主将の若松孝輔のとなりにいる。
練習中はずっとだ。
怒鳴り声は大きいし、見る人によっては精悍ではなく怖いと思う顔立ちで厳つい体つきの若松が、女性にしては背が高いほうではあるけれど華奢で女性らしい体つきのマネージャーの隣にいる時は優しげな顔をしている。

さつきの方は若松をたてているし、お似合いのカップル…っぽく見える。
なので勇気のある新入生が桜井に思い切って聞いたのである。

「主将と桃井先輩は付き合ってるんですか?」
「付き合ってないです、すみません!」
それに対しての桜井の答えは新入生に希望を与えた。


だけど、もうひとつの気がかりが青峰大輝の存在だ。
若松の隣にいるさつきに休憩時間になると何かと絡む。
絡むといってもさつきに暴言を吐き、それにあの大人っぽい桃井先輩が子供みたいに言い返して、若松が仲裁に入る。
青峰が仲裁に入った若松を怒らせ、今度はさつきが若松をなだめ、それに青峰がなんだかんだ言ってまたさつきとケンカになって、お互いに怒ってそっぽを向いて、だけど帰りは一緒に帰る。

それでまた別の勇気ある新入生が桜井に聞いた。

「青峰先輩と桃井先輩って付き合ってるんですか?」
「付き合ってないです、すみません!
あの二人は幼馴染です、すみません!」


桃井先輩は、青峰先輩とも主将とも付き合ってない。
だけど、なんかあの三人って三角関係っぽいよなー。
誰かがふっと言ったその言葉に、一年生達は頷いて、それ以降、一年生の話題は三人の関係についてが多くなった。
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