黒子のバスケ

□君という光
1ページ/5ページ

高校を卒業後、バスケの推薦で大学に行った青峰と、自分のしたい事をしたいからとスポーツ理学科のある大学に進学を決めたさつきは、幼稚園に通い始めてからずっと一緒だったのに、初めて離れる事になった。

さつきは大学が遠いからと一人暮らしを始め、さつきと全然会えなくなった。
それで初めて、青峰はさつきの存在を自分がどれだけ必要としていたか知った。

誠凛の木吉がさつきと同じ大学の同じ学科に通っていて、木吉経由で黒子からさつきが大学でももてていること、そして相変わらずバスケ部のマネージャーをしている事、特に一人の男と仲がよさげな事を聞き、いてもたってもいられなくなってさつきの大学に乗り込んだのは大学入学からわずか半年後…。

あの時のオレはどうかしてた、青峰は未だにそう思う。
だけどいてもたってもいられなくてさつきの大学に乗り込んだ青峰は、見つけ出したさつきの腕を掴み、その他大勢の見知らぬ学生の前で、
「お前が好きだ、お前にはオレがいれば充分だろ!」
と言ってしまった。

「え、もしかして大ちゃん、私のこと好きだって言いたいの?」
と聞かれ、青峰はさつきをぎゅっと抱きしめていた。


あとから聞いた話では、その男は同性愛者で女に興味はなく、さつきは離れてしまったけど青峰の事が好きだから自分にあれこれと付きまとってくる男性達を鬱陶しいと思い、酔った勢いで同性愛者だとカミングアウトしてきた男にさつきが頼んで、付き合ってる事にしてもらっていたらしい。

「大ちゃんは私の事なんか、うるさい幼馴染としか思ってないと思ってたよ。
それでも私は大ちゃんが好きだから、ずっとそばにいようって思って、わざわざスポーツ理学の学校に通うことにしたんだよ。」
とさつきが笑顔で言った時、さつきも自分を好きなんだとわかって、青峰は恥ずかしくて、だけど嬉しくて、一生さつきを手放さないと決めた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ