黒子のバスケ
□彼女だけは譲れない
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黒子と伊月が身長の高い男+可愛い女の子が一人の集団が火神に分からないようにうまく尾行できるようにしている。
火神の足取りは軽く、どこか楽しげに見えた。
「なんだか楽しそうですね、火神くん。」
黒子の言葉にみんなが頷く。
火神は足取りが楽しげなだけではなく、顔もいつもより穏やかに見える。
火神は見えてきたカフェに入っていった。
普段の火神なら絶対に入りそうもない、女の子が好みそうな外観のカフェに。
「やっぱ彼女との約束なんじゃん?」
「黒子、いってらっしゃい!」
ここは影の薄い黒子に任せよう、それが誠凛バスケ部一同の一致した意見で、黒子は仕方なくカフェに一人で入っていく。
火神は背が高いので、すぐに分かる。
店の中をキョロキョロしてた火神はため息を付いて、右目の泣きぼくろが印象に残る、容姿の非常に整った、ゆえに店中の女の子から注目されている男の向かいの席に座った。
(あれ、陽泉の氷室さんですよね?
どうして秋田の陽泉の氷室さんが東京に?)
黒子はそう思いながら目立たない席に座り、耳をすます。
しかし、店内のざわめきで二人の声は聞こえなかった。
いくら影が薄いと言っても、あまり近づきすぎると気が付かれるかもしれないし、二人はアメリカで兄弟分だったようだから、何か用事があって東京に出てきた氷室さんが火神君をよびだしたのかな、黒子はそう思いながら二人の会話を聞き取る事は諦めた。