黒子のバスケ
□ここでキスして
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土曜日の夕方、一番最初に青峰の家に来たのは黒子だった。
「青峰君、桃井さんの近くにいながら桃井さんに恋人ができるのを黙ってみていたってどういうことですか?」
現れた黒子が無表情に淡々と言う。
それが逆に怖かった。
そこに現れたのは緑間だった。
「だからオレは桃井が桐皇に行くのを反対したのだよ!
青峰に桃井の面倒が見れるわけがないのだよ。
こうなる事は分かっていたというのに!」
「そんな事を言っても、あれだけ大輝がスレてしまったら、さつきが大輝のそばにいることを選ぶのは仕方ないだろう。
本当は僕だって、さつきを洛山に連れて行きたかったんだ。」
緑間の後ろから顔を覗かせた赤司の笑顔に青峰は背筋が寒くなる。
「とにかく上がれよ。
今日は親いねーから。
さつきの両親と旅行に行ってんだ。」
「それじゃ今さっちんは家に一人なの?」
4人は紫原が声を発するまで、2メートルを越えてる彼が自分達のそばに来ていたことに気が付いていなかった。
「紫原!
いつきたんだよ。
さつきはばーちゃんちに泊まるって言ってた。
んで、朝帰ってきて出かけるんだとよ。」
「だから電気ついてないんだぁ。」
紫原が頷いた時、
「うぁぁぁん、青峰っち〜!!
桃っちがぁぁ…オレの桃っちがぁぁ!」
と叫びながら黄瀬が現れた。
「黄瀬君、はっきり言って相当うざいです。」
「ああ、うざいのだよ、黄瀬。」
「涼太、うるさい。」
「黄瀬ちん、まじうざいし、捻り潰すよ!」
「黄瀬うぜー」
五人は半泣きの黄瀬に迷惑そうな顔をするが、黄瀬が五人に見せたメールに顔色をなくした。
メールにはロング丈だけどノースリーブで胸元の開きが大きめな白いワンピースと、ミニ丈だけど半そでで胸元の開きも少なめな黒のワンピースの写真が添付されていた。
『明日、彼と会うんだけど、男の子ってどっちの服の方が好きかな?』
添えられた文章に、全員は魂が抜けてしまった。