黒子のバスケ

ここでキスして
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『TO 赤司・緑間・黄瀬・紫原・テツ
さつきに男ができた。
次の日曜に、そいつと会うっぽい。
ちなみ、桐皇のやつじゃねぇ。
他校みてーなこと言ってた。』
青峰はメール画面にそう打ち込むと送信ボタンを押した。

『TO 赤司君・緑間君・青峰君・紫原君・黄瀬君
日曜日、桃井さんをつけましょう。
そしてその男を特定しましょう。
黒子テツヤ』

『TO 赤司・紫原・青峰・黄瀬・黒子
賛成なのだよ。
緑間真太郎』

『TO 赤司っち・緑間っち・青峰っち・紫っち・黒子っち
賛成っス!
黄瀬涼太』

『TO 真太郎・敦・大輝・涼太・テツヤ
すぐに東京行きの新幹線のチケットを予約した。
ぬかりはない。
赤司』

『TO 赤ちん・みどちん・黄瀬ちん・峰ちん・黒ちん
オレも東京行きの新幹線のチケット予約するー。
室ちんに頼んどいた〜。
敦』

青峰がメールを送信してから、全員5分以内の返信だった。
それもそのはず、キセキの世代共通の宝物・桃井さつきに恋人ができたかもしれないなんて一大事だ。

ことの発端は、今日の放課後。
「さつき、次の日曜日、買い物付き合ってくんね?」
と言った青峰に真っ赤になって
「ごめん、日曜日は用事があるの。」
とさつきが断ったことだった。

「何赤くなってんだよ、恋人でもできたのか?」
さつきの挙動不審さに不信感を覚えた青峰の目が鋭くなる。

「えっ?!
何で分かるの?!」
さつきはあっさりとそれを認めてしまった。

「……その男は誰だ?」
低い声で聞いた青峰にさつきはさらに赤くなって
「えとね…あの…桐皇の人じゃないよ?
あのね…」
と言いかけた時に青峰は今吉に呼ばれて、それ以上はその話ができなかった。
その後は何度聞いても
「そのうち言うね。」
と言われるだけで、さつきは何も話さなかった。
それで青峰は他のメンバーにも連絡をしたのだった。

『TO 赤司・緑間・黄瀬・紫原・テツ
リョーカイ。
土曜からうちに泊まりにこい。』

全員からOKの返事をもらった青峰はスマホをベッドに放り投げて、窓から見える幼馴染の部屋を見る。
ピンクのカーテンが引かれた部屋には明かりが灯っている。
たった数メートルしか離れていないあの部屋で、あの幼馴染は何をしているのだろうか、自分以外の他の男を思っているのだろうか?
嫉妬でどうにかなりそうだった。

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