黒子のバスケ

君のためなら死んでもいい
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翌日。
帝光中の最寄り駅に付いた時、伊月の携帯が鳴った。
ディスプレイに表示されている名前がさつきの名前だったので、伊月は電話に出る。

「もしもし。」

「伊月さん、今どこですか?」

「帝光の最寄り駅についたとこだよ。」

「それじゃ、そこで待ってて下さい!
一緒に行きましょう?」
さつきの弾んだ声に伊月は笑って返事をして電話を切る。

それからしばらくして、
「伊月さん!!」
と声をかけられ、振り向くと、仏頂面をした青峰と対照的に笑顔のさつきが駅から出てきたところだった。

「本当はもっと早く来るはずだったんですけど、大ちゃんがなかなか起きなくて!
すみません!
大ちゃん、こちら誠凛の伊月俊さん。」

「どーも。
知ってるよ、テツんとこのガードだろ?」

どーもといった時に伊月を見た目には敵意がむき出しだったが、さつきを見る目は優しい青峰に伊月は笑いかける。

「どーも。
青峰大輝くん、さつきの幼馴染だろ?
オレは伊月俊。
誠凛のガードで君の幼馴染の恋人。」

完璧な笑顔の伊月に青峰の顔が強張る。
一方のさつきは顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしているけれど、
「そうなの大ちゃん。
私、今、伊月さんとお付き合いしてるの。」
と言い切った。

「どうしたんですか、こんなところで。
なんで伊月先輩がいるんですか?」

そこに声をかけてきたのは黒子で、その後ろには黄瀬と緑間もいる。
どうやら三人は電車が一緒だったらしく、一緒に駅を出てきたようで、強張った顔をしてる青峰と真っ赤になってるさつきと完璧な笑顔を浮かべたままの伊月を交互に見ている。

「あのねっ…あ、みんなおはよう!
昨日、赤司くんから電話があってね、今日、彼も一緒に連れてきたらいいっていわれたから連れて来たの!
あのね、知ってると思うけど誠凛の伊月俊さん。
あの、私の恋人…。」

さつきの言葉に、緑間が手にしていた小さなだるまが道に転がった。
驚きの余り、緑間が落としたらしい。

黄瀬が持っていた携帯も落ちた。
その音に驚いたさつきが慌てて携帯を拾い、壊れてないかを確認して黄瀬に渡す。

「きーちゃん、どうしたの、携帯落としたよ?
ミドリンもだるま落ちてるし。」
さつきはだるまも拾うと緑間にもだるまを渡そうとする。

その時、さつきの手からだるまが消えた。

「待ち合わせは正門の前だったはずだけど。
ここで集まれたなら都合がいいね。」

さつきの手からだるまを取り上げ、緑間に渡したのは赤司だった。
その後ろには、紫原もいる。

「今日はお招きどうもありがとう。
赤司征十郎君。」

「こちらこそ、急な誘いに応じてくださってありがとうございます、伊月俊さん。」
二人は笑顔だけど、目だけは笑っていなかった。
「これから、近くのストバスコートに行きませんか?
さつき、申し訳ないけどみんなの分のスポーツドリンクを買ってきてくれないか、僕たちはここで待ってるから。」
さつきはなんだか険悪そうな雰囲気に首をかしげたけど、伊月が
「オレもキセキの世代と話してみたいけど、恋人に年下に色々聞くとこ見られたくないから。」
と言われたので、
「うん、テツくんもいるから知らない人ばかりってわけじゃないもんね。
行ってくるね。」
とコンビニに向って歩き始めた。

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