銀魂

□恋人は人気タレント7
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愛してますか、先生の最終回視聴率が40%という結果になり、高杉晋助脚本の作品の中で、最高視聴率を更新した。
二作連続で高杉脚本、九兵衛主演のドラマは高視聴率を出したことになり、次のクールの『きみありてこそ』への期待は高まっている。

そのせいか、『赤バッジ!』撮影中にも関わらず、所作や京ことばの指導する先生の方も指導に熱が入ってる。

そして、赤バッジ!の方のスタッフも、脚本は高杉晋助じゃないし、主演も総悟だけど、九兵衛がクレジットの二番目に名前が来るので、結構いい線いけるんじゃないかと期待してるようで、こちらも現場の熱量が高い。

九兵衛がロングヘアを役作りのためにばっさり切ったから、余計だろう。
愛してますか、先生の最後の方は、赤バッジ!との撮影がかぶったけれど、俺が各方面に九兵衛が赤バッジ!の役作りのために髪を切ったほうがいいんじゃないかと思ってるらしくて……と伝えたら、高杉は、坂田が学校を辞める時、九兵衛は自分の気持ちを坂田に伝えないことを決めて髪を切るという風に脚本を変えてくれた。

赤バッジ!のスタッフは九兵衛の熱意に感動していたし、空飛ぶ恋人達のスタッフは、CAもショートカットやボブカットの人もいるから、髪型はお好きなようにして下さって大丈夫ですと言ってくれた。

大幅なイメチェンだったが、世間からの評判も良かったので、俺はほっとした。

今は赤バッジ!の撮影中。
一話の内容は、総悟演じる申道敦が勤める交番の管轄で殺人事件が起こり、所轄署に帳場が立ち、捜査一課の刑事達が所轄署に来るところから始まる。

その中に九兵衛もいる。
九兵衛は階級は警部補で、役職は主任。
検挙率はbPだけど、単独行動をする事はなく、部下からは慕われている。
同じ階級で同じ役職のやつらからはライバル視されていて、決して友好的な関係を築けてるとは言いがたいけれど、上司の中には彼女を高く評価していて、陰から助けてくれる人も何人もいるという設定だ。

ドラマだからな、衣装はタイトスカートのスーツに、ヒールだ。
タイトスカートでヒールの音をさせて歩く姿を一課には女性の刑事もいるのかと思いながら見てる総悟に、坂本辰馬演じる総悟の指導係のハコ長、有川達也が
『ああ、本庁の六条あずさ警部補じゃな。
精鋭揃いの本庁の一課で、検挙率1の優秀な刑事じゃ。』
と教えてくれる。

あんな小柄な女性が、あんなに綺麗なのに一課で検挙率1?!
それを聞いた時から九兵衛演じる六条あずさ警部補は総悟の憧れになる。

殺人事件の発覚の際、一番に現場に駆けつけたのは総悟だったので、総悟は九兵衛と、九兵衛が信頼する部下の一人である志村新八演じる春原勇次から聴取を受ける。
総悟は本庁の刑事は偉そうで傲慢だと思っていたが、九兵衛は偉そうでもなく、傲慢でもなかったので意外に思い、ますます九兵衛に憧れる。

事件は一話完結するので、この事件に関しては一話で解決するけれど、二話ではまた、新しい事件が起こる。
『ここはよく事件が起こるな。』
と北大路斎演じる本庁の管理官、滝川修一が一課の刑事を引き連れて現れる。

その中には今回は九兵衛はいない。
けど、北大路は、九兵衛を高く評価している上司の一人だ。
おかしいなと総悟は思っていたが、捜査会議が始まり、しばらくして廊下を歩くヒールの足音がする。

帳場が立ったことで、所轄署の刑事課の刑事がそちらにいってしまったので、総悟は交番勤務の巡査だけど、刑事課の仕事の手伝いをすることになって、署につめていた。
この辺は多分、本当の警察はこんなことはないと思うが、ドラマだからな。

それで、その足音に総悟は刑事課の部屋から廊下を覗いて、驚く。
そこには黒いワンピースに黒いストッキング、黒いヒールを履いて歩いている九兵衛がいたからだ。
九兵衛は総悟に気がついて
『お疲れ様です。』
と刑事課を覗いて、中にいた人全員に声をかけ、捜査会議の行われている部屋に向かう。

『葬式の最中によびだされたんですかね?』
と首をかしげた総悟に、総悟と同じく刑事課の仕事を手伝っていた坂本が
『一周忌じゃろ。』
と呟いた。

捜査会議の行われている部屋に九兵衛は、
『遅れて申し訳ありません。』
と言いながら入っていく。
『いや、非番なのに呼び出して悪かったな。』
九兵衛の直属の上司である泥水次郎長演じる犬飼十三がそう言い、九兵衛は喪服姿のまま、黙って志村の隣の席につく。

一課の刑事たちが
『婚約者の……』
『ああ、一周忌……』
とこそこそ話してるのを、所轄署の刑事達は不思議そうな顔で見ていて、会議終了後、所轄の刑事がペアを組んだ一課の刑事に
『六条主任は、誰かの葬儀の最中に呼び出されたんですか?』
と聞くと、
『いや、婚約者の一周忌ですよ。
六条主任は、一年前に婚約者を殺されてるんですよ。
それまでは検挙率はトップでも、今みたいなクールな感じじゃなくて、冷静ではあるけれど、よく笑う方だったんですけどね……』
と言われ、驚く。
それを総悟が聞きつけ、九兵衛の重い過去を知る……。

この事件では九兵衛が部下と共に翌日には犯人にたどり着いて、犯人を逮捕する。

『六条はマジ、半端ねーな。
婚約者の一周忌の途中に駆けつけて、一日後には犯人逮捕だぞ。』
『婚約者殺された時は、あんなに大泣きしてたのにな。
その経験すら、検挙率に変えちまうんだからな。』
『刑事じゃなかったら、いい女なんだけどな。
自分より検挙率いい女とかな……』

九兵衛は出席しなかったけれど、事件解決を祝う打ち上げで、九兵衛と同じ階級、同じ役職の刑事がそう話しているのを聞いて、総悟は頭にくると共に、九兵衛の過去を詳しく知りたいと思うようになる。

ここまでの撮影は終わっていて、第一話の放映は明後日だ。
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