銀魂

□恋人は人気タレント5
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九兵衛と付き合いたいから協力してくんない、と俺に言った坂田銀時はじっと俺を見てたけれど、俺は
「いや、無理です。
九兵衛にスキャンダルなんてでてしまったら、俺、クビになりますから。
うちの稼ぎ頭です、熱愛報道なんてでて、仕事減ったらまずいんで。」
と答えた。

「あー、真剣交際ならよくない?」
「いや、よくないです。
失礼します。」
俺は坂田に向かって頭を下げると、九兵衛に近寄っていく。

「大丈夫ですか、九兵衛さん。
痛いところや怪我はありませんか?」
と声をかけると、九兵衛は振り向いた。

「大丈夫です。」
山崎も九兵衛が痛いと思わないように気をつけてはいたと思うけれど、九兵衛が撮影前に
「痛いかもとか気にしないで、本気でやっちゃって下さい。
このドラマをいい作品にしたいので。」
なんて山崎に言ってるのを聞いていたので、このシーンの撮影は心配になっていた。

「大丈夫ならよかったです。」
俺がそう答えた時、ヘアメイクが近寄って来て九兵衛と山崎のヘアメイクを直し始めた。
それで、坂田の視線を感じながらもスタジオの端にいき、社長に坂田銀時から九兵衛と付き合いたいから協力してくれといわれたとメールをしておいた。

『もちろん断ったんだよな?
今はまだ、九兵衛に恋愛関係の報道ははぇぇ。
総悟もだ、どっちも今や売れっ子タレントだ、あの二人にスキャンダル出させるなよ。』

社長からの返事にそれなら高杉の家になんか行かせるなよ、と思ったけれど、そんな事は言えないから
『はい。
近藤さんにも伝えておきます。』
とだけ返事をした。
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