銀魂

□大掃除の夜に咲く花
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12月の半ば頃、開店前にオーナーから
「今年の年末年始の営業についてですが、本営業は28日までです。
29日は夕方から大掃除をします。
そして30日は休みで、31日は例年通り、カウントダウンイベントを開催します。
それが終わったら、6日まで休業、7日から営業を開始します。
帰省するなどで出勤できない方は、事前に申し出てください。
新年営業初日は毎年の事ですが、羽織袴での接客になります。
これに関しては、袴のレンタルおよび、着付けも毎年のようにこちらで用意するので、事前に出勤する方は申し出て下さい。」
との話があった。

高天原で働き始めて、最初の年末年始。
クリスマスは兄であるオーナーと二人きりで過ごすために一緒に九兵衛さんと過ごせない分、年末のカウントダウンイベントは絶対に出ると俺は決め、実家への帰省は今回はしないことにした。

両親はそれならと、二人でのんびり旅行にでも行こうかなと言っていた。
両親の仲がよくなるのはいいことだと思うし、やっぱり帰省しないで正解だよな。

そんなことを考えながら俺は、オーナーの横に立っている九兵衛さんをちらっと盗み見た。
スーツ姿の九兵衛さんはやっぱり凜々しくてかっこいい。
このかっこいい人が、素の姿に戻ると綺麗で可愛い女性になる。
やっぱり好きだ、そう思う。
どっちの九兵衛さんも、俺はすごく、好きだ。

改めてそう思っているうちに、
「毎年、毎年、大晦日に出勤してくれてありがとう。
でも休む人は遠慮せずに休んでくれ。
では今日もよろしく。」
1の九兵衛さんが締めて、その日の営業は始まった。
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