銀魂

□永遠に、俺のもの
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将軍の側用人の娘が殺害された事件の容疑者の取調べを終え、近藤と土方と山崎は取調室から出てきたところだった。

普通の殺人なら真選組が調査を行うこともないのだが、今回の事件は被害者が側用人の娘、加害者がその家の使用人ということもあり、真選組に調査が任された。

その動機が色恋のもつれだったから、この事件は表に出ることなく、秘密裏に処理されることになっている。
将軍側用人の娘とその使用人の色恋のもつれからの殺人なんて、外に漏れてもいいことがないからだ。


土方は取り調べの事を思い出す。

何で殺したんだ、そう聞いた近藤に男は答えた。

「彼女を愛していたからです。
僕は彼女を愛していました。
誰より何より、深く深く彼女を愛していました。
でも僕はしょせんは使用人。
彼女がいくら僕を愛してると言ってくれても、彼女と結婚することはできません。
それは覚悟してはいました。
でもお嬢様に見合いの話が持ち込まれたんです。
覚悟はしていたのに、お嬢様が他の男と結婚するかもしれない、そう思ったら辛くて苦しくてたまらなくて。
だからどうしたら彼女が僕のものになるのか、ずっと考えていました。
そして彼女を殺してしまえば彼女は他の誰とも結婚しないですむ、永遠に僕のものになってくれると思いました。
だから殺しました。」

近藤はその言葉に顔を顰めていたし、山崎も驚いたような顔をしていた。

その言葉をきいても表情を変えなかったのは土方だけだった。
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