銀魂

□私立・万事屋学院高校の新学期3
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正門の前には九兵衛が風紀委員の腕章をつけて立っている。
その隣に当たり前のようにたっているのが風紀副委員長の土方、反対側の隣に風紀委員の総悟がいた。
風紀委員長の近藤は九兵衛の後ろであくびをしている。

九兵衛は風紀委員の顧問とはいえ、主に風紀委員を仕切るのは本来は松平の仕事なのだ。

だが、松平は九兵衛の高校三年間の恩師でもあって、その恩師に楽をしてもらいたいとかいって九兵衛はできるだけ風紀委員の仕事を肩代わりしていた。

なので週に一回の風紀委員による登校指導も、今や風紀委員とともに校門に立つのは九兵衛の仕事になっていた。

同じように、剣道部顧問も坂本辰馬が主となるはずなのだが、あいつは天然ボケで能天気なので部員たちは坂本より九兵衛を頼りにしている。

九兵衛は新任の教師なのに、膨大な仕事を抱えてしまった。
担任を持っていないのに銀時より学校を出る時間が遅いときがあるくらいだ。

そのせいで二人で過ごす時間は減ってしまい、銀時は不満だった。

おまけに校門の前で堂々と九兵衛の隣にいる土方は自分に宣戦布告までしていったのだ。
九兵衛の夫の銀時としては、面白いわけがない。
土方は副委員長だが近藤があんな感じなので、実質的に風紀委員を仕切っているのは土方だ。
だから土方と九兵衛は接点が多い。
廊下で立ち話をしていたり、国語準備室に九兵衛を訪ねて来た時に土方が意味ありげに銀時に視線を送ってくるのに九兵衛は気がついていない。

一度、土方とあまり話すなと九兵衛に言ったら、
「慕ってくれる生徒を突き放すなんて僕は出来ない!
第一、土方はいい生徒じゃないか。」
と言われてしまった。

土方の気持ちを九兵衛に伝えて、だから気をつけろといえばすむことではあるが、土方が九兵衛を好きだというのを九兵衛には教えたくなかった銀時は結局黙るしか出来なかった。
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