銀魂
□夢であったら…
2ページ/3ページ
「んで、土方はどうしたんでィ?
あんなんでくたばるたまじゃねぇでしょう。」
沖田はそう言いながら自室の障子や雨戸を閉めていく。
「ああ、でも君から連絡をもらって僕が駆けつけたときには土方くんはかなり衰弱していた。
それに今回の事の顛末は土方くんから聞いた。
君が仕組んだことだって知って彼はショックを受けたんだ。
精神的なダメージも大きいから、柳生家の主治医の先生に頼んで入院させてもらっている。
というか、君は何を考えているんだ?!
あんなことが許されると思っているのか?!」
九兵衛はさらに目を吊り上げていた。
「生きてたんならいいでしょーが。」
へらっと笑った総悟を九兵衛が睨みつける。
「死んだらどうするつもりだったんだ!!」
「そしたら、副長の椅子がやっと俺のもんになりまさァ。」
九兵衛に笑いかけたと同時に総悟の頬に九兵衛が平手打ちを食らわせた。
女の力とは思えないほどその平手は強く、総悟はよろけそうになるのをこらえた。
「最低だな、君は!
土方くんは君が本当に自分で自分を切ったのかと思って必死に助けようとしたんだ!
自分だってふらふらで、あんな風に君に騙されたって言うのに、それでも君が無事でよかった、そう言ったのに!
なんであんなことをしたんだ!!」
「理由が知りたいんですかィ?」
総悟は九兵衛をじっと見つめる。
九兵衛は総悟を睨みながら頷いた。
「俺の言うこと聞いてくれたら教えまさァ。
九ちゃんは知りたいんでしょう、俺がこんなことした理由を。」
総悟の言葉に九兵衛は頷いた。
「そうしたら、腕を後ろに回してくだせェ。」
九兵衛は言われた通りにする。
そのとたん、手首に何か冷たいものが触れたかと思うとがちゃんという金属音が響いた。
「何をっ…」
そう言って手を動かそうとして、自分の手が拘束されていることに気がつく。
動かしてもがちゃがちゃという金属音しか聞こえず、手は動かない。
九兵衛は総悟を見た。
総悟はにっこりと笑って九兵衛を見ている。