銀魂

□先生は旦那様
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「失礼します。
柳生です。」

「おー、入れー。」

土方先生の声がして、僕は部室のドアを開ける。

マヨネーズをたっぷりかけたお弁当の横には手付かずだけど明らかに手作りらしきお弁当が三個あった。

「相変わらずモテモテですね、先生。
今日もお弁当三つももらったんですか。」
僕の声は自分でも気がついてないうちにキツくなっている。

なのに先生はにこっと笑って
「やきもちか?」
とか聞いてくる。

僕は顔から火が出そうだった。

「本当に可愛いな、九兵衛…」


「失礼しやーす。」
先生が言いかけた時、部室のドアが開いて沖田先輩が入ってきた。

「なんだ、おめぇは呼んでねぇぞ、総悟。」
先生が顔をしかめた。

「マヨ方と九ちゃんを二人っきりにするわけにいかねェから、俺も来ましたー。」

「女子部は一年しかいねぇし、柳生が部長なん
だから仕方ねぇだろ。
っつか、いい加減に先生と呼びやがれ。」

「やだね、マヨ方。」

沖田先輩と先生はあまり仲がよくないみたいだけど、なんだかんだで先生は沖田先輩の世話を焼いてる。
沖田先輩も心のそこでは土方先生の事を好きなんだと僕は思ってる。


そんなことを考えながらぼーっと二人を見てたら先生が僕をみた。

「再来週の男子部の練習試合の時に、相手校が女子部も対戦しませんかと言ってきた。
相手のとこにも女子部があるらしいが、やはり人数が少ないらしい。
うちに女子部があると知ってぜひ手合わせを言ってきたぞ。
再来週までに調整できるか?
大丈夫か?」

先生の言葉に僕は試合ができるのかと思うと嬉しくて
「はい、大丈夫です!
なんとか調整します!」
と返事をした。

「そうか、それじゃ頼んだぞ。」

「はい。」
僕が返事をすると先生が何か言うより先に沖田先輩が
「これで話は終わりやしたねェ。
九ちゃん、一緒に教室に戻りやしょう。
練習試合のための練習メニュー作るの手伝ってやりまさァ。」
と言ってくれた。

「いいんですか?」

「総悟、お前は自分の練習があるだろーが!!」

「メニュー組むくらいは休み時間にできまさァ。
気にすんな、マヨ方。」

「てめぇ、いい加減にしろよ!!」

「ほら九ちゃん、早く戻らないと昼休みおわっちまいまさァ。」

そう言われて、僕は引きずられるようにして失礼しましたとだけ言うと沖田先輩と部室を出て行った。
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