銀魂

□色づいた世界
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「伊東先輩。」

そう声を掛けられて、僕は顔を上げた。
いつの間に来たのか柳生が立っていた。

「なんだ?」
僕がそう聞くと、柳生は
「柔道部の部長から、試合が近いから道場の使用日数を来週だけ、一日増やしたいと申し入れがありました。
来週、剣道部の道場使用日を一日、柔道部に譲ってもいいですか?」
と聞いてきた。

「なぜ、柔道部は僕ではなくて柳生の方に言ってきたんだ?」

理由なんか、本当は聞かなくて分かってるのに僕はそう聞いていた。

「伊東先輩には言いづらかったと言ってました。
でも、そんなこと無いのに。
伊東先輩は、見た目はとっつきにくそうかもしれないけど、実際に話をすると優しいし、いい人なんですって言っておきました。」

柳生の笑顔をまぶしく感じて、僕は目を細めた。
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